Critical Cycling+移動体芸術展 2018 Winter

展覧会イメージ・グラフィック制作





概要/背景

初めての正式なデザイン制作の依頼として,IAMAS2018卒展における[Critical Cycling+移動体芸術展 2018 Winter]展覧会 のイメージ・グラフィックを製作した. イベントのイメージ・グラフィックを見る人が具体的な情報や感情を容易に読み取ることができるようなデザインを意識して本格的に制作するのはこれが初めてであった. それに加え,依頼者からのデザイン制作受注であったため,依頼者の方向性や希望に沿って満足してもらえるものと,自分も納得のいくものを両立させて制作するという体験もこれまでにないものであった. 最終的に展覧会でも使用されている様子を実際にIAMASまで見に行った.
中学3年次の冬,私は情報科学芸術大学院大学[IAMAS]の2017年度卒業展示会のため,岐阜県大垣にあるIAMASに足を運んだ. その際に開催されたトークイベントを通じて私はCritical Cyclingに強く関心を持ち,自分でも自転車を購入しサイクリングを頻繁にするようになった. そしてその後もオープンハウスや卒展があるたびにIAMASに行きCritical Cyclingの展示を閲覧した. そのような中,私がデザインやアートを勉強し,自分で創作した作品を公開している[XNIHIRO:資料4参照]を見たCritical Cycling 主宰である赤松正行さんから,2018年のIAMAS卒展において開催された[Critical Cycling+移動体芸術展 2018 Winter]のイメージ・グラフィック作成の依頼を正式に受けた.


使用ソフト

software: Adobe Illustrator/Photoshop


イメージ・グラフィック製作

依頼内容の確定後,依頼内容のコンセプトやこれまで私自身が見てきたCritical Cyclingの展示や活動などを踏まえて,3つのデザイン案を制作し提案した.


提案1
提案2
提案3

3つの提案したデザインの中で,3つ目が一番目立ち最も可能性のあるものであり,これを元に発展させていきたいというコメントがあった. これを踏まえ,提案3についての改善点を受けた. 改善点は主に文字と白線の部分の工夫であった. タイトルをより読み取りやすくすることや,イベント情報の省略の検討. また白線については錯視効果を導入するなどエフェクトなどを追加し工夫することであった.
これらを踏まえて改善案のデザインを5種類製作した.


改善案1
改善案2
改善案3
改善案4
改善案5

改善案では白線のデザインをベースに様々なエフェクトを用いた. コメントにあった錯視効果でCritical Cyclingのロゴを表示させるものや,白線が動き出しそうなもの,また遠近法のような見た目のものを制作した. これらの改善案はあくまでも最終的に採用するエフェクトのイメージを掴むためのものであった. 他にタイトルの文字の大きさや配置をこだわることでイベントの内容とテーマを直接的に表現した.
発展案の中では,上段右のものが最も良い評価をいただいた. ロゴを用いたデザインについて円形を入れて処理したものも提案してほしい,また他のデザインに関しても見た目は気に入ったがエフェクト自体に根拠や説得力が欲しく,特に理由もなくエフェクトを使用したように感じられてしまう,というフィードバックがあった. また文字に関しても太字を使うなどしてリズムをつけたほうが改善できるというコメントがあった.
ここでさらなる改善案を3つ製作した.


(改)改善案1
(改)改善案2
(改)改善案3

自転車の2つのタイヤをイメージし白線を歪ませたり,自転車に乗っているときの視界を再現するため,速い速度で過ぎ去る風景と奥行きの感じられる視点を白線の歪みで表現した. また,デジタルな規則正しさと自転車や道を表す曲線を重ね,Critical Cyclingでの活動を表したようなものも制作した.
これらの発展案を踏まえた協議の結果,やはり当初のデザインが一番良いという結論にたどり着いた. 白線の歪み具合が他のものに比べて単純でなく,はっきりとわからないが何かが秘められてそうな見た目になっており,つい見入ってしまうものであるからということだった. 最後にこの白線のグラフィックとタイポグラフィーを仕上げることで完成となった.
それがこのページの最上部のものである.

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